新宮城は袴狭集落北側の細尾根突端、標高約31.7mに位置する。城域は東西約130m・南北約30mを測る。集落との比高は約19mある。
城史は伝承・文献とも不明である。
城は東から西に延びる細尾根の小さな群集墳を城として改修したものである。
主郭1は東西約44m・南北約8mを測り、5~6基の小円墳(径6~8m)を平坦にしたものである。
曲輪2(14×15.5m)は現在墓地となっている。曲輪2の東側には堀切が存在していたものと思われるが、現在は通路として利用されている。
曲輪3(7.3×8.6m)も古墳を利用したものである。主郭Ⅰと曲輪3の間には古墳の周溝を利用した堀切・竪掘(堀切=幅2.5~2.8m・深さ1.1m、竪掘=2~3m・長さ10.5m)が構築されており、曲輪3の西側にも周溝が遺存している。
曲輪4(9×14.5m)は方墳を曲輪化したものであろうか。
曲輪5は唯一曲輪らしい平坦面で、11×21mを測る。円墳か方墳を曲輪化したものかも知れない。
城は、曲輪2の背後(東側)に堀切を設け、その前面(西側)に小曲輪郡を配置し、なかほどに堀切・竪掘を構築した単純な縄張りである。
小規模な古墳を利用した城郭であり、集落のなかほどに位置する袴狭城と共に、村人が一時的に避難する「村の城」としての性格が思考される。<豊岡市の城郭集成Ⅱより>