台場は、幕末、外国船の日本近海への出没、アヘン戦争に始まる対外情勢の緊迫につれて、長州藩が藩内に諸沿岸に防備のため海岸要衝の地に築塁した防塁である。
室積のこの台場は、諸記録から判断すると後に地元の人々の手によって補修されたと考えられる。なお、地域の古老の談によると、昭和10年頃までは数基あったようであるが、現存するものは、この2基のみである。
この台場は、明治維新前夜の長州藩の情勢を物語る貴重なものであり、萩市指定史跡『菊ヶ浜土塁』(文久3年(1863))と並んで重要である。<現地案内板より>